ラーメンとは?つけ麺とは?美味しい以前の知識集



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起源・語源・名称

ラーメンは中国の麺料理を起源として、大正時代ごろから日本の中華料理屋で支那そばとして出されていた料理をもとに発展したものである。約100年ほどの歴史の中で、現在の日本のラーメンは中国に元々あった麺料理文化とは異なる日本独特の食文化に進化(変化)している(詳細は後述の歴史の節を参照)。

「ラーメン」の語源は、中国西北部に位置する蘭州の麺の一種「拉麺(lā miàn ラーミェン)」(簡体字で「拉面」)という説がある。中国語の「拉」とは「引っ張る」という意味で、手で引っ張り伸ばして細長い麺の形を形成する手打ちの技法である。ただしこのラーメンの拉麺語源説には異説もあり、一部の辞典は「老麺」という漢字表記を採用している。しかし老麺(ラオミェン)とはマントウや包子を作る際に用いる、寝かせた発酵生地を酵母種として使用する中国伝統技法であり、ラーメンに用いる技法ではない。日本で「ラーメン」という呼び方を広めたのは、昭和33年(1958年)に日清食品が発売した世界初のインスタント麺「チキンラーメン」であると言われている。
麺・スープ・具

生麺

小麦粉を原材料とし、かん水(鹹水)というアルカリ塩水溶液を添加するのが大きな特徴である。そのため同じ小麦粉で作った麺でも、日本のうどんや中国の麺料理とは異なる独特の色・味・食感をもつ。

製麺機を使って製麺するのが一般的である。自家製麺を行う店も多い。

無かん水麺、蕎麦粉や唐辛子を混ぜ込んだ麺などもある。かん水については、独特の臭気と苦味を嫌って、鶏卵などを使用する製法もある。工場で大量に生産されている麺には、プロピレングリコールを添加して食感を良くしているものもある。
スープ

ラーメンのスープは基本的にタレを出汁(ダシ)で割ることによって作られる(出汁をさしてスープと呼ぶこともあるが、この項では混同を避けるためスープと出汁を区別して記述する)。タレと出汁を別々に用意するのは、味のバリエーションを増やす以外に、店にとって味の質を一定に保つという大きな理由がある。常に火にかけて煮続けている出汁に直接味付けをしてしまうと、出汁の風味が飛んでしまい、煮詰まることで塩分も濃くなってしまうのである。

スープはラーメンの味を決定する重要な要素であり、各店舗が様々に工夫してうまみ成分を抽出している。美味しさのあまり飲み干す人も多いが、麺をすすったときにちょうど良い味になるように塩分が濃い目であり、健康上の観点からは器の汁を完飲することは勧められない。
タレ

かえしとも呼ばれる。かつては醤油・塩・味噌の3種類のタレを用意する店が多かったが、一種類のタレで営業する店も増えている。味噌の場合はペースト状、塩の場合は粉末状という場合もあり、必ずしも液状ではない。

うま味調味料(化学調味料)はかつてラーメンにとって必須の調味料だったが、健康ブームの影響もあり、「無化調」を売りにする店も増えてきている。
出汁

鶏ガラ、豚骨、牛骨、鰹節、昆布などを煮て作るスープのもと。出汁は複数の素材からとるのが基本である[4]。煎り大豆、シイタケ、リンゴなどを使う例もある。臭み消しにタマネギ、長ネギ、生姜、大蒜などの香味野菜を使う。

出汁の材料としては、かつては鶏ガラを基本に、野菜と鰹節で味を整えたものが主流だった。そのため現在「昔風」を標榜しているラーメンは基本的に鶏ガラベースである。現在は豚骨をベースにしたものが多く、ほかに牛骨や、鰹節・鯖節・煮干し・あごなどの魚介をベースにする店も増えている。
香味油

タレを出汁で割ってスープを完成させたあと、店によってはさらに香味油を加える。

コクや旨味を強調するために、スープに油を加えることは、従来から盛んに行なわれていた。ラードやバターが使われることが多かった。旭川や酒田、燕など寒冷地で、スープが冷めないように油膜を作ったのがルーツであると言われる。

2000年頃には豚の背脂の塊を浮かべる「背脂チャッチャ系」が流行した。

鶏油、胡麻油、ヘットなど以外にも、香味野菜や魚介で香り付けした各店独自の香味油が使われている。

醤油ラーメンでは叉焼(チャーシュー)とメンマ(シナチク)とネギが比較的定番であり、豚骨ラーメンでは、叉焼とネギ、キクラゲが比較的定番である。卵(生卵、ゆで卵、煮卵)、海苔、鳴門巻き(ナルト)、野菜(煮野菜、野菜炒め)なども多く見られる。具はトッピングとして追加するか、もしくは追加される具によって「野菜ラーメン」「ネギラーメン」など別個のメニューとなっている。地方や店舗によってはスープと刻みネギ程度のほとんど具の無いラーメンを素ラーメンと称することもある。



叉焼(チャーシュー)
本来の焼豚であることは少なく、多くの場合は煮豚を使用する。部位はモモ、ロース、バラが多い。燻製にしたり、乗せる前に表面を炭火やバーナーで炙って本来の叉焼に似た香ばしさをつけることもある。軟骨の部分を煮込んだ物、薄切りバラ肉の煮込み、角煮風に仕上げた塊の豚バラ肉や豚挽肉を使用する店もある。その店の標準より多くトッピングした物はチャーシューメンと呼ばれる。

半分に切ったりスライスしたゆで卵が使われることが多いが、生卵を使う地域もある。ゆで卵を醤油に漬けた味玉が多い。燻製液に漬けた薫玉(くんたま)を使う店もある。黄身でスープが濁らないように半熟卵を使用する店もある。
ネギ
細かく刻んだり、輪切りにしたり、繊切りにした白ネギや青ネギ、ワケギなどを用いる。白髪ネギを豆板醤やコチュジャンなどで和えた「辛ネギ」などもある。
メンマ(シナチク)
筍の一種である麻竹(マチク)を発酵させたもの。
青物
醤油ラーメンで主流。ホウレンソウやワカメなど。香りと歯触りを添える。近年では豆板醤等に漬けたニラを入れることもある。
鳴門巻き
渦巻き模様の蒲鉾で、彩りを添えるために用いられる。蒲鉾を用いる地域もある。
海苔
独特の風味が加わる。日本蕎麦に由来する。
野菜
味噌ラーメンが主流で、炒めたモヤシやキャベツ、ニンジン、タマネギなどが使われる。茹でモヤシが単独で使用されることもある。
キクラゲ・紅しょうが・ゴマ・高菜
キクラゲは豚骨ラーメンでよく使われトッピング感覚で用いられる。紅生姜は酸味が豚の脂のしつこさをさっぱりさせると言われるがトッピングとしてでなく食後の口直しとして用いる場合もある。ゴマは胡椒と同様に香辛料感覚で用いられる。高菜は漬け物にした「高菜漬け」を細かく切って油炒めにしたもので、唐辛子を一緒に漬け込んだり、炒める際に唐辛子を加えた「辛子高菜」を用いることが多い。
ニンニク
ニンニク絞りで潰したもの、刻んだもの、すり下ろしたもの、揚げたものが使われる。

その他、地域にもよるが、イカ、エビなどの魚介類に挽肉、生豚肉、鶏肉などの肉類やトウモロコシ、麩、刻みタクアンやキムチなど店舗・家庭の好みによって多岐にわたる。
分類

麺と同等以上に重要視されているのが汁(スープ)で、汁には極めて多くの種類があるため、ラーメンの種類は汁により分類されることが一般的である。

汁に使われる、タレの種類や出汁の種類などにより大小様々に分類されうる。またその分類がそのラーメンの地域性にもなっていることが多い。各地域毎のラーメンは#おもな各地方のラーメン節を参照。

自由に発展した料理であるため、多様なバリエーションが存在し、広義ではラーメン類とされることもある。狭義ではスープに浸かった通常のラーメンとは区別されるものもある。中華麺#中華麺を使った料理も参照。
タレの種類による分類

醤油ラーメン
醤油味のスープのラーメン。東京ラーメンを代表とする、広く主流となるオーソドックスな味のラーメンであり、鶏ガラや野菜をベースとした伝統的なあっさり味から、豚骨をベースのこってりとした物まで幅も広い。魚介系の出汁や、醤油を味醂などと合わせて煮る事もあり、地域性を反映している(後述の#おもな各地方のラーメン節を参照)。
塩ラーメン
塩によって味付けされたスープのラーメン。醤油や味噌などの香りの強い調味料を使わないことによって、そうした香りが苦手な人でも食べやすいという特徴がある。
味噌ラーメン
味噌によって味付けされたスープのラーメン。昭和29年ごろに札幌で誕生した比較的新しいラーメン。豚骨ベースのこってりとした物が多い。



醤油ラーメン
塩ラーメン
味噌ラーメン
出汁の種類による分類

豚骨ラーメン
白濁したスープが特徴。これは豚骨を鍋で煮つづけ溶け出した骨髄によるもの。白に茶色が掛かった物や黒ゴマ豚骨という黒いものもある。福岡県・熊本県を中心とする九州で最もポピュラーなラーメン。諸説あるが、戦前福岡県久留米の長崎県出身者の営むラーメン屋台において、豚骨の煮込みの時間と強さを間違えて、強火で長く煮込みすぎたのが発祥といわれ、これが博多・玉名・熊本をはじめとする九州各地に伝播した。

豚骨醤油ラーメン
白濁した豚骨スープに醤油のタレを加えたもの。近畿地方の一部(和歌山など)・中国地方・四国(徳島県など)に多く見られる。通常の九州地方に多い九州系の豚骨ラーメンでも味付けには醤油は使うが、若干隠し味的に使うことが多く(薄口醤油や白醤油を使う場合もある)、これらはスープの色が比較的白っぽいものが多いのに対して、スープの色が一目瞭然として茶褐色であるのが特徴。同じように、豚骨スープを使い醤油のタレを加えたものでも、透明な豚骨スープを使った物(清湯スープ)は、通常、豚骨醤油ラーメンとは呼ばないことが多い。

豚骨ラーメン
豚骨醤油ラーメン

魚介系ラーメン
鰹節を始めとした魚介類をベースとしたラーメン。

具材による分類

これらの名称は伝統的なラーメン店で用いられたが、最近は急速に減少している。

チャーシュー麺
前述
ワンタン麺
ワンタンを具材に用いたラーメン。
広東麺
中華あんかけを具材に用いたラーメン。広東省とのつながりは特にない。
天津麺
カニ玉を具材に用いたラーメン。天津市とのつながりは特にない。
五目麺
肉・野菜・魚介・玉子など複数の具材を用いた関東に多いラーメン。近年はこれを供する店は少ない。
パーコー麺
揚げたばら肉または衣を着けて天ぷら状・または豚カツ状に揚げた豚肉を乗せたラーメン。
チャンポン麺
肉・野菜炒めを玉子でとじたものを具材料とするラーメン。チャンポンとは言うものの長崎ちゃんぽんとは全く別種のもの。

チャーシュー麺
ワンタン麺
広東麺
パーコー麺
その他



タンメン
タンメンは、茹でた麺に炒めた肉野菜を乗せ、スープを上からかける、塩ラーメンに極めて近い姿の汁麺。調理方は若干長崎ちゃんぽんに似ているが、スープは鶏ガラベースで澄んだ塩味。塩ダレをスープで割る日本の塩ラーメンとは調理法が異なり、麺や具材も長崎ちゃんぽんとは違うものを使うため、両者とは別の料理と言える。また中国でいう湯麺とも意味が異なる。ちなみに、国内の店でこのメニューが盛んであった頃は、酢やラー油を少量落とすという食べ方が一般的であった。

タンメン
歴史
沿革

日本で最初にラーメンを食べたのは徳川光圀水戸黄門)であるとする説がある[5]。1659年(万治2年)に明から亡命した儒学者朱舜水水戸藩に招かれた際に、所持品リストにラーメンを作る際に使うものが含まれるから、中国の汁麺を献上したとの記録はないものの、実際に作ったに違いないという。1697年(元禄10年)には、光圀の隠居所である西山荘を訪れた僧や家臣らに中華麺がふるまわれたとの記録もある。この説に基づき復元したラーメンは新横浜ラーメン博物館にある。

日本への伝搬としては、明治時代を迎えると神戸や横浜などの港町に中華街が誕生し、そこで提供された南京そばに始まるとされる。1884年明治17年)に函館新聞(当時)に函館の船場町にある中華料理店養和軒が南京そばを15銭で提供を始める広告を出し、大正の頃まで提供したとされているが、証拠が乏しく当時の関係者も既に亡くなっているため、養和軒の南京そばが今のラーメンと同種の食べ物であると断言できていない状況である

1910年(明治43年)には、横浜税関を退職した尾崎貫一が南京町(現・横浜中華街)から中国人コックをスカウトして、東京の浅草にラーメンをメインにした庶民的な中華料理店「来々軒」を開店(当時の来々軒を写した写真には「廣東支那蕎麦 來々軒」「支那御料理 シナソバ、ワンタン、シウマイ」という看板が見える)、味は醤油スープで、1杯6銭(2007年現在で約300円相当)という値段も手頃で連日行列ができる人気は1976年(昭和51年)に暖簾を下ろすまで続いたという。開店当時は手延べ式の麺で、昭和に手打ちとなる。この「来々軒」の流れを現在に受け継いでいる店は同店で最後に修行した宮葉進が1966年(昭和41年)に千葉市稲毛区に開店した「進来軒」だけとなっている。1914年(大正3年)には東京茅場町の「中国料理 大勝軒」が開店、東京に現存する最古のラーメン店として「シルシルミシル」のお初店調査で東京のラーメン店のお初に番組認定されている[13]。札幌では1922年(大正11年)、現・北海道大学正門前に仙台市出身の元警察官の大久昌治・タツ夫婦が「竹家食堂」を開店。そこで働く中国山東省出身の料理人の王文彩が作る本格的な中華料理が評判となって店は繁盛し、常連客であった北大医学部教授(後の北大総長)の今裕(こんゆたか)の提案で店名も「支那料理 竹家」に改名。麺作りは初めは手で引っ張り伸ばす手打ち製法だったが、客が増えたため後に製麺機になった。当初、竹家のメニューの中でラーメンは中国人留学生には人気があったが、店のメイン料理ではなかった。そこで日本人の口にも合うようにと大久タツが店の料理人の李宏業、李絵堂の2人に相談し、2人はそれまでの油の濃かったラーメンから麺・スープ・具を改良、試行錯誤の末、1926年(大正15年)の夏に醤油味でチャーシュー、メンマ(シナチク)、ネギをトッピングした現在のラーメンの原形を作り出した(ただ、当時の竹家のラーメンは現在の札幌ラーメンとは異なる)。当時、先述の浅草来々軒でもチャーシュー、メンマ、ネギを入れていたという醤油ラーメンがあり、横浜南京街でも同様の具を入れたラーメンができていたといい、各地で現在一般的になったラーメンの基本型ができていった。

今日のラーメンの普及には大きく2つの流れが存在する。第一に、中国からの移住者の営む中華料理屋や戦後の大陸からの引揚者を中心に始められた日本風の中華料理屋におけるメニューである。ここではもやしそばやタンメン、ワンタンメン、広東メンなどラーメンの調理法を基準としてメニューが区別されている。味噌や塩ラーメンもメニューにある店舗も多い。この他、チャーハン、野菜炒め、麻婆豆腐、餃子などラーメン類以外のメニューも供されており、一般的にラーメンのバリエーションが豊富である。

第二に、屋台における販売である。近年は減少しつつあるが、深夜時間帯を中心に「流し」といわれる屋台で販売される。屋台は、古くは江戸時代からの夜鳴き蕎麦屋の風習にのっとり、リヤカーの後ろに調理器具を積み、市中を回りつつ売ったものであった。チャルメラを鳴らして歩いたことから、屋台の俗称もまた「チャルメラ」という。近年は軽自動車や商用車に調理器具を積み、椅子を並べ、主に繁華街などで固定販売することが行われている。

屋台で評判を得た店がその後に固定店舗を開設し、ラーメン専門店に転じた例も少なくない。専門店の店舗形態としてはカウンターのみ、あるいはテーブルとカウンターからなるものが多い。専門店では味噌や醤油、豚骨などスープの味によって、メニューが区別されていることが多い。特定のスープの味に特化した専門店も多い。また、後述するご当地ラーメンのように、地域全体で独特なスープや味付け・食材が主流となっているという地域も多い。

これらラーメン専門店のラーメンは麺とスープの製法に各店独自の工夫を凝らすことで様々な個性が生じ、独自の進化発達を遂げた。特にスープは多くの場合、レシピについて門外不出の「秘伝」とされ、暖簾分けという形での伝授や、法人化した店舗ではチェーン展開による指導などを通じて広まっていった。他方、チェーン展開やフランチャイズ展開を行っているラーメン店の場合、スープなどは企業秘密のまま本社の工場で生産して、末端店舗は本部から卸されたスープ[15]を本部に決められたレシピ通りに使用するだけ、という形が取られる事も多い。
呼称の変遷

昭和20年代までは「支那そば」という呼称が一般的で、「チャンそば」、「南京そば」(「南京」は「南京錠」などの語源と同様に「中国の」あるいは「外来の・舶来の」程度のニュアンスで、都市としての中国南京市を指すものではない)、あるいは単にそば、汁そばなどと呼ばれることもあった。

このため、最近までは単に「そば」「おそば」というとラーメンを指し、蕎麦はわざわざ「日本そば」と呼称していた地域(総じて四国や九州など蕎麦食があまり普及していなかった地方)もある。現在も西日本の地方の高齢者の中にはこの呼び方をする人も多く、蕎麦屋を起源としているわけではないのに店名に「そば」を冠するラーメン屋も西日本を中心にしばしば見受けられる。また、ラーメンという呼称を使用する店でも、品目によっては「五目そば」「もやしそば」などという言い方をすることは多い。なお、独自のラーメンが開発され普及した北海道や、ラーメンとは起源の異なり似て非なる沖縄そば(うちなーすば)が発展した沖縄県では、中華そば、支那そばとはほとんど呼ばれない。
日清チキンラーメン



戦後になり、支那という単語の使用自粛が要請されたことから、中華そばという名称が生まれた。当初は多数派であった中華そばに代わりラーメンという呼称が優勢となったのは、1958年(昭和33年)8月に日清食品からチキンラーメンが発売され、「インスタントラーメン」という言葉が誕生したことも一つの理由とされる。

* 現在も地域によっては中華そばのほうが通りが良く、ラーメンと中華そばを区別して認識される場合もある。
* ラーメンという名の誕生した時期や場所は不明だが、語源は一般に中国語の拉麺(ラーミェン)、あるいは老麺(ラオミェン)の日本語読みに由来するとされる。
* 近年ではラーメンの多様化を受けて、懐古的な意味合いから昔風のラーメンを支那そばまたはあえて中華そばと呼ぶ店も増加している。

ご当地ラーメンブームと「ラーメン本」

1960年代から1970年代にかけて、日本の全国各地に形成されていた地域毎の独特のラーメンの味付けやラーメン文化の存在が次第に知られるようになった。1980年代後半以降、日本全国の各地の多様なラーメンの文化に注目が集まる様になり、地域おこしの手段として注目され、各地で名物ラーメンのPRが行われるようになった。これが「ご当地ラーメン」と称される食品群である。

これには、1960 - 70年代から既に高い知名度を持っていた札幌ラーメンなどが観光に大きく寄与していたことも与っている。「札幌ラーメン」を謳ったチェーン店が全国に展開したり、インスタントラーメンの呼称に使われたりして、まず札幌ラーメンの存在が全国に知られるようになった。その後、福岡県の博多ラーメンや福島県喜多方ラーメンなどがブームとなった。これらは「ご当地ラーメン」などと称され、観光資源として雑誌媒体、テレビマスコミでのPRなどに用いられる事が見られる様になった。

その後、これら「ご当地ラーメン」の個性を楽しむ人たちが増え、現在でもマスコミの取材などをきっかけとして地域毎にラーメンブームの様相を呈することは珍しくない。また、これによって現在では旅行ガイドブックジャンルを細分化したジャンルの一つとして「ラーメン本」が成立しており、観光地のみならず、東京都内など大都市圏の多ジャンルのラーメン店舗間の競合の激しい地域でも、この本の情報を頼りにラーメンを食べ歩く者が多く見られている。同様にインターネットで参加者によって口コミ的にラーメン店を評価するホームページやグルメ系ポータルサイトなども多数存在しており、やはり食べ歩きの参考としてこれらの情報を利用する者も多い。また、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどで販売される生ラーメンやカップラーメンでも、人気のご当地ラーメン風の味付けをされた製品や、有名人気ラーメン店やその店主がタイアップしたラーメンが数多く販売されている。そして、これらの市場拡大によってラーメン専門のフードライターや評論家という、ラーメンを食べて評し、記事を書く事を職業とする人物さえ幾人も登場している。

この様なご当地ラーメンが時に大きな市場や経済効果を作り出してきた一方で[16]、「ご当地ラーメン」には、単にラーメン店の店舗数が人口や市街地の規模に比して多いだけで、その地域の固有といえる特段の共通の特徴がなかったり、マスコミに特集されるほどの質(味に加えて接客サービスなど)が伴っていない地域も存在している。ブームに便乗しようとする者も多く、近年では観光振興、地域特産の農作物・水産物・調味料といった「ご当地食材」の知名度向上や消費振興などを意図して、地元の商工団体や食品メーカーなどが企画した「ご当地ラーメン」が作り出され、地方公共団体の観光課や観光協会、「ご当地食材」の生産者団体などと連携して過剰なマスコミ露出・宣伝活動を展開しているケースもある。




おもな各地方のラーメン

特定の地域を中心に食されるラーメンをご当地ラーメンといい、その地名を冠して呼ばれることが多い。だが、あくまで「その地域で食されるラーメン」をそう呼ぶというだけであってそれ以上でもそれ以下でもない。ご当地ラーメンに必要なのは独自性であって地域ごとの統一性ではない。地域によっては店ごとの差異が大きいところも存在するが、それもその地域のラーメンのひとつの特徴である。
北海道 [編集]

旭川ラーメン旭川市
魚介類と豚骨、鶏ガラなどで出汁を取ったスープに醤油を合わせる。寒冷地であるため、ラーメンの熱が逃げないように脂で蓋をするような意味合いでかなり高温になるまで焦がしたラードをスープに使用するが、味は淡泊。麺は細めの縮れ麺で加水率が低いため、スープによく絡む。味噌味仕立ての物は、コクと甘みが主張する独特な味で、札幌の味噌味とは異なる。近郊の上川町には「上川ラーメン」があるが、基本は同じ。

札幌ラーメン横丁

札幌ラーメン(札幌市)
中国からの料理人の作るあっさりした塩味の汁麺に始まったが、戦後に満州からの引揚者によってこってりした醤油味となり、永らく醤油ラーメンが広く主流であった。だが後に味噌ラーメンが考案されると、これが一躍人気となり全国に知られるところとなり、今や札幌ラーメンの代名詞となった。味噌ラーメンは濃厚な辛口の味噌にニンニクを用いる。大量のラードとニンニクで炒めた具の野菜類をスープと一緒に煮込み、それに味噌を溶いてできたスープを器に注ぎ麺を入れ炒め煮込んだ具を盛りつけるというスタイルのものが多い。麺は加水率がかなり高く、コシがある。味噌味以外の醤油味、塩味も大抵の店で出されているが、他の地方と比べるとやや塩辛さが強く寒冷地の土地柄もありカロリー摂取を目的に比較的多めのラードを使用する。観光客向けの店を中心に、トウモロコシやバターを載せることも多い。
室蘭ラーメン(室蘭市
従来からの醤油ラーメンと近年のカレーラーメンがあり、前者は地元特産の根昆布、鰹節をベースにした醤油味に、太めの縮れ麺を用いたもので、味は淡泊。後者は、ちぢれ麺と、チャーシュー、野菜やワカメなどが特徴となっている。
函館ラーメン函館市
国内でも相当に長い歴史を持つラーメンの一つと言われ古くから今も変わらず塩味のスープが一貫して主流で函館で単にラーメンというと塩ラーメンのことを指す。そのため醤油味のラーメンは函館ではわざわざ「醤油ラーメン」と呼ぶ。弱火で炊き込んだ器の底まで透き通るほど透明で薄味の豚骨がベースとなっており、そこに塩で軽く味付けする。他の北海道のラーメンとは異なり、麺は細ストレート麺が多い。
滝川ラーメン(滝川市
特産の合鴨を使用した合鴨ラーメン。出汁に、合鴨のがらを使用し、風味を活かす薄味のあっさりした塩ラーメン。
地獄ラーメン(北広島市
唐辛子味噌と唐辛子粉を加えた辛いラーメン。
釧路ラーメン(釧路市
鰹出汁をベースに、昆布、煮干しなどの魚介類、豚骨、鶏ガラなどを合わせすっきりとした醤油ラーメン。麺は極細の縮れ麺で、加水率が高い。

旭川ラーメン
札幌ラーメン
函館ラーメン
釧路ラーメン
東北



津軽ラーメン(青森県弘前市
煮干し、鶏ガラであっさりした醤油スープが多い。煮干しではなく、焼き干しを使用する店もあるが、煮干しに比較して高価なため数は少ない。また、十三湖周辺のしじみラーメンもよく知られている。
八戸らーめん(青森県八戸市
南部地鶏と白銀産の煮干しでダシを取った特製の醤油味のスープで、名川産の長ネギや高級品として知られる田子産のニンニクなどと言った地元の食材を使い、麺は手もみの縮れ麺が特徴。
十文字ラーメン(秋田県横手市十文字町 = 旧・十文字町
焼き干し、鰹節、昆布などの魚介類のみから出汁を採る透き通ったスープ。麺は極細の縮れ麺で、かん水はほとんど用いないため白みがかっている。
仙台ラーメン(宮城県仙台市
仙台味噌を使った味噌ラーメンが多い。
酒田ラーメン(山形県酒田市
魚介類と豚足、鶏ガラなどで出汁をとった醤油スープ。スープ作りの段階で背脂を入れるため独特のコクとまろやかさがある。麺は細い縮れ麺で、加水率が高くモチモチ感がある。
とりもつラーメン(山形県新庄市
鶏のもつを甘辛く煮たものをのせたラーメン。地元で祝い事があるといただく。
鳥中華(山形県天童市ほか)
鳥蕎麦の麺が中華麺に変わった和風中華そば。暖かいのと冷たいものがあり、主に蕎麦屋のメニューとして置いてある。
冷やしラーメン(冷たいラーメン)(山形市
氷の浮いた冷たいスープのラーメン。スープに浮いている脂は冷たいスープでも凝固しないように植物系(主にごま油)が使用されている。北海道で冷やし中華が“冷やしラーメン”と呼ばれているので、地元では混同しないように冷たいラーメンと呼ばれる。また、地元の訛りを入れてつったいラーメンと呼ぶ場合や、地域により冷丼(ひやどん)と呼ばれている。
赤湯ラーメン(山形県南陽市
基本は味噌スープだが唐辛子を使った辛味噌が乗り、好みに応じて溶かして食べる。麺は太く縮れた麺が特徴。昭和35年に誕生した。
米沢ラーメン(山形県米沢市
スープの系統は喜多方と似ており、煮干し、豚骨、鶏ガラをベースにした淡泊な醤油味。麺は加水率の高い縮れ麺で、縮れ麺では珍しく細麺であるのが特徴。麺を干してから更に手揉みで拵えるため、ちりちりに縮れている。
喜多方ラーメン福島県喜多方市
スープは豚骨のベースと煮干しのベースを別々に作り、それをブレンドしたもので、淡泊だが強い醤油味。麺は太めの平打ち縮れ麺で、加水率が高くコシが強い。ラーメン屋というスタイルで店舗を構えていないのが特徴で、「○○食堂」という風に大衆食堂の店構えをしているものが多い。
白河ラーメン(福島県白河市
鶏ガラ、豚ガラを中心とした醤油ベースのスープだが喜多方ラーメンや米沢ラーメンと比較すると醤油味が濃厚で、東京ラーメンに似ている。麺は手打ちの縮れ麺が主流で、麺を包丁で切った後に手で揉む。具に鳴門巻き、メンマなどのほかチャーシューを用いる。チャーシューは、生肉の表面を炭火で軽く燻製にした後、醤油で煮込む。また、縁を食紅で赤く染めるのが標準である。

八戸ラーメン
喜多方ラーメン
白河ラーメン
酒田ラーメン
関東

スタミナラーメン(茨城県水戸市など)
醤油味であんかけが載っている。
水戸藩ラーメン(茨城県水戸市

詳細は水戸藩ラーメンを参照されたい。

麺にレンコン粉を練りこむのと、「五辛」(ニラ、ラッキョウ、ネギ、ニンニク、ショウガ)という薬味を添えるのが特徴である。レンコン粉が加えられているために、麺は全体に茶色で黒い点がある。五辛は漢方医学に由来しており、薬膳の性格を持つ。さらに、陰陽五行思想にもとづいて、叉焼など肉を具にする時には、肉と兄弟分とされるシイタケも添える。スープの出汁や具に鶏や豚など肉類を使うが、徳川光圀は当時はタブー視されていた肉食を嫌っておらず、生類憐れみの令も無視したため、考証として必ずしも不自然ではない。

佐野ラーメンの特徴、青竹打ち



佐野ラーメン(栃木県佐野市
青竹を使って打った麺に特徴があり、加水率が高く、中太の縮れ麺が一般的。名水百選にも選ばれた出流原弁天池湧水の水を使って延ばす製麺所もある。透き通った醤油スープで、味はすっきりとして淡泊。スープは鶏ガラ、香味野菜をベースにしている。
藤岡ラーメン(群馬県藤岡市
「上州藤岡ラーメン」とも。鶏ガラをベースにした醤油味。麺は中太の縮れ麺でコシが強く、同県内の水沢うどんからの流れからか自家製手打ち麺を提供している店が多い。
スタミナラーメン(埼玉県)
醤油味で豆板醤のあんかけが載っている。
竹岡ラーメン(千葉県富津市)
醤油にチャーシューの煮汁を加えたスープで麺を茹でた茹で汁を使う、味は淡泊。タマネギの細切りが具に載る。発祥の店では、麺に乾麺を使用している。
東京ラーメン(東京都)
オーソドックスな醤油味で、透明な鶏ガラスープに鰹出汁を加え、各店独自の醤油ダレをあわせるのが基本。麺は中細縮れ麺を用いる。具は焼豚、鳴門巻き、ホウレンソウ、ゆで卵、海苔、メンマ、刻みネギなど。荻窪ラーメン・恵比寿ラーメンは東京ラーメンの一種で、俗にいう背脂チャッチャ系など東京都内には様々なスタイルのラーメン店もある。老舗店には蕎麦からの転向店もあり海苔や麩などに蕎麦店時の名残を残す。
油そば(東京都)
煮豚チャーシューの煮汁と油を少量のスープでのばし、茹で上がった麺にからめたもの。ちぢれた中太麺がタレにからまり、こってりとした変わり種のラーメンといえる。
八王子ラーメン(東京都八王子市)
やや濃厚な醤油スープ。ストレートな細麺。具に刻みタマネギが乗り、その辛味の調整に油が加えられる。
二郎ラーメン(東京都)
太麺と濃厚なスープ、トッピングの多彩さなどで熱狂的なファンを持つラーメン。名称は店名に由来するが、のれん分け、フランチャイズ、独立、模倣店の登場などによって「二郎系」と呼ばれる独自のジャンルを形成している。
サンマーメン(神奈川県横浜市および湘南地方の一部)
塩もしくは醤油ベースのスープに細麺を用い、もやしをベースとした炒め野菜の「あんかけ」ラーメンの一種。横浜の中華街および近傍の中華料理店または中華食堂などがルーツとされる。
家系ラーメン(横浜市
濃厚な豚骨醤油がベースで、鶏油を用いる。極太ストレート麺。具はチャーシュー、ネギ、ホウレンソウのほか、大判の焼き海苔が2、3枚載る。最初に「○○家」という屋号をつけた店が人気を博し次第にのれん分けや模倣の同様の屋号の店の増加から屋号に「家」が付くに加え同様の特徴を持つラーメンを出す店が総じて俗に「家系」と称されるようになった。

佐野ラーメン
スタミナラーメン(埼玉)
竹岡ラーメン
東京風ラーメン
背油乗せラーメン(東京、「背脂チャッチャ」)
油そば
東京トンコツラーメン
ラーメン二郎(三田)
八王子ラーメン
サンマーメン
家系ラーメン
信越

燕三条系ラーメン(新潟県燕市三条市
極太麺。煮干しを主とした鯖節、鰹節等の魚介スープ。大量の豚の背脂が載せられ、具にタマネギのみじん切りが載る。俗にいう背脂チャッチャ系の元祖。燕三条背脂チャッチャ系ラーメンともいう。
新潟あっさり系ラーメン(新潟市
煮干し、鶏ガラ、豚ガラなどを使い、すっきりとした味で、塩ラーメンに近い薄い醤油色のスープ。麺は縮れの細麺もしくは極細麺。新潟市中心部の新潟島発祥。そのため新潟島系ラーメンともいう。
新潟濃厚味噌ラーメン(新潟市
濃い味噌のラーメン。味噌の濃さを調節できるよう、別丼で割りスープが付くのが特徴。現・新潟市西蒲区域の旧・巻町発祥。
長岡系ラーメン(新潟県長岡市
豚ガラを多く使い、比較的油っこい醤油味のスープに生姜の風味が強く利いている。長岡生姜醤油系ラーメンともいう。

燕三条系ラーメン
長岡系ラーメン
中部

富山ブラック富山県富山市
醤油をベースにしており、墨汁のように黒いのが語源。麺は少し固めの太麺。薬味として黒胡椒が振り掛けられている。富山県内が中心。
富山ホワイト(富山県富山市
豚骨ラーメンで、富山県内では徐々に知名度が上がってきている。
入善ブラウンラーメン(富山県入善町
味噌ラーメンで、海老味噌スープに入善町で造られた深層水使用の麵が特徴。
敦賀ラーメン(福井県敦賀市
豚骨と鶏ガラの2種類を合わせた醤油味のスープが主流。
高山ラーメン岐阜県高山市
鰹出汁と煮干しをベースにしたスープと醤油、みりんなどで合わせたたれを直接寸胴に入れて、スープとたれを混ぜ、煮込んで作るという他に類を見ない製法。本来は醤油味のみで、かなりあっさりしている。ただ、最近は味噌味や塩味のものを出す店もある。比較的細い麺を使う店が多い。飛騨ラーメンとも呼ばれる。地元では単に「そば」と呼ばれることも多い。
台湾ラーメン(愛知県名古屋市
鶏ベースの醤油味だが、具に挽肉、ニラ、唐辛子たっぷりとニンニクで炒めたものをスープにいれてかけて出すためとても辛い仕上がりである。今池の飲食店・味仙が発祥とされる。名古屋で独自に発祥したラーメンで、台湾には無い。台湾ラーメンと呼ばれるゆえんは、料理人曰く「台湾人店主が作ったラーメンだから」である。もやし・ニラをメインに唐辛子・ひき肉を炒めたものをのせる店舗もある。
ベトコンラーメン(愛知県一宮市岐阜県岐阜市
ニンニクをたっぷり使ったラーメン。「ベスト・コンディション・ラーメン」の略、あるいは「ベトナム戦争中の時期に生まれ、ベトコンの名前にちなんだ」とも言われる。

高山ラーメン
台湾ラーメン
近畿 [編集]



京都ラーメン(京都市及び、京都府南部・滋賀県南部地域)

詳細は「京都ラーメン」を参照
麺は、細めのストレート角麺が多く、比較的柔らかめに茹でる傾向にある。具は、焼豚、メンマ、九条葱(これに加えてもやしをのせる店も多い)が載る。スープは、豚骨豚肉をベースにした色目の相当に濃い溜まり醤油味の清湯スープ、甘みの強い鶏ガラベースの醤油味のスープ(このスープは通常、豚の背脂が振られる)、鶏ガラや野菜がドロドロになるまで煮込んで作られる独特な白濁スープなどがある。何れもスープの味付けはかなり濃厚である。
神戸ラーメン兵庫県神戸市・阪神地域)

詳細は「神戸ラーメン」を参照
現在は大阪と同じように様々なラーメンが混在しているが、以前は「京都ラーメンから派生したこってり系」(京都ではあっさり系と呼ばれる豚骨清湯スープ)と、「古典的な関西風あっさり中華」(清湯スープ。いわゆる中華料理のガラスープである。関東の中華そばと違い、魚介出汁をミックスすることはなく、醤油も淡口醤油を使用している)の2つに大別できた。
高井田ラーメン(大阪府大阪市東成区・東大阪市
極太麺が特徴的。スープは濃い醤油味で、鶏ガラと昆布ダシを合わせたものを使用。
天理ラーメン(奈良県天理市
豚骨、鶏ガラをベースにした薄味の醤油ラーメンを下地に、大量の豆板醤(入れない店もある)、ニンニクを入れた辛口ラーメン。具に白菜、ニラ、炒めた豚バラ肉が載る。「中」「大」を注文したときのボリュームの増加割合が半端ではなく、店によっては「鍋」と呼ばれる、家庭から容器となる鍋を持ち込んでそこに盛り付けてもらうスタイルでテイクアウトできる店もあり、「鍋」で「大」を注文して一家の夕食のメインとするスタイルもある。「スタミナラーメン」「サイカラーメン」とも呼ばれる。
和歌山ラーメン(和歌山市など和歌山県紀北地方)
豚骨醤油スープ。ドロドロになるまで煮込んだ豚骨スープに醤油を合わせていく製法と、醤油で炊き込むことによって味を染みこませた豚骨を炊いてスープを採る製法がある。新横浜ラーメン博物館館長の武内伸がわかりやすく、前者を「井出系」、後者を「車庫前系」と名付けたため、一時期その呼称で呼ばれることが多かったが、現在、この呼称はあまり使われなくなっている。又、このどちらの系統にも属さない店舗も存在する。特徴的な具として蒲鉾。サイドメニューとしてラーメンが供されるまでの待ち時間をしのぐため早寿司(鯖寿司)、ゆで卵、おでん、どて焼きなどを置いている店が多く、逆に餃子や炒飯などの中華系サイドメニューを置いている店は少ない。和歌山にほど近い湯浅が醤油発祥の地とされており、濃厚な醤油味であるのも、その影響とされる。地元では和歌山ラーメンとは呼ばずに、単純に「そば」、あるいは「中華そば」と呼ぶのが一般的。
播州ラーメン(兵庫県西脇市
醤油味だが甘みがあるのが大きな特徴。播州産の淡口醤油を使い、播州地鶏・豚骨・野菜をじっくりと煮込んだものが多い。織物など、繊維産業が盛んだった頃に出稼ぎの女工が多くおり、女性の口に合った甘口の味付けにしたのが始まりといわれる。
播州赤穂塩ラーメン(兵庫県赤穂市

京都ラーメン
京都ラーメン
京都ラーメン
神戸ラーメン
高井田ラーメン
天理ラーメン
和歌山ラーメン
播州ラーメン
中国・四国

岡山ラーメン(岡山市
鶏ガラベースに豚骨加えた醤油スープが多く、ストレートな中細麺を用いる。しかしながら濃厚な豚骨醤油の老舗店も少なからずある。またサイドメニューにデミグラスカツ丼などの洋食メニューがある老舗店が多いのも特徴。これは「食堂」または「大衆食堂」から始めた店が比較的多いためである。
笠岡ラーメン(岡山県笠岡市
鶏ガラベースの醤油味で、豚肉チャーシューの代わりに「かしわ」と呼ばれる鶏肉を使うのが特徴。昔、笠岡には養鶏場が多く存在し、そこで安く手に入れられた鶏肉を使用したため、鶏肉をふんだんに使用している。
福山ラーメン(広島県福山市
笠岡ラーメンよりこってりで、尾道ラーメンよりスープが薄味でさっぱりしているが極めて尾道ラーメンに近い店が多い。ルーツは戦前の支那そば。
尾道ラーメン(広島県尾道市
本来は鶏ガラ・豚骨ベースのみの醤油味で、色目も透明で淡白。ただし近年はこれに加え小魚系の素材をスープに加える店が多い。豚の背油がクルトンのように浮かんでいるのが尾道のラーメンの大きな特徴。麺は平直麺の使用がほとんど。始祖店といわれる店では自店のものを尾道ラーメンとは決して呼ばない。
広島ラーメン(広島市
豚骨ベースに醤油ダレを合わせた茶褐色のスープがである場合が大多数で、味は豚骨ベースながら淡白な店が多いが一部には極めて濃厚な店もある。麺は比較的色目の白い細直麺が主流。客の多くはラーメンとは呼ぶが古くからある店には暖簾やメニューには「中華そば」と書いてある店が多く店側も「そば」または「中華そば」と呼ぶ。具はチャーシュー、細もやし、ネギが一般的である。店名に、すずめ・つばめ・うぐいす、ちゃぼ、巣箱など小鳥や鳥に関係する名前のつくものが多い。現在では少ないが古くからの店の場合、寿司店に中華そばがある(あった)のも独特。サイドメニューにおでんがある店がほとんどであるのも特徴である。焼肉店で暖簾に「焼肉・ラーメン」と冷麺でなくラーメンをサイドメニューとして表に出すケースが多いのも広島の特色。
呉ラーメン(広島県呉市
基本的には広島ラーメンと一緒ではあるがスープ自体は濃厚系が多いながらも味付け自体は若干薄味で具材にワカメを使う店やコショウに加えて香辛料に唐辛子漬けの酢「酢辛子」が用意され、これをコショウの代わりに入れる者も多いという広島市内にはない独特な習慣がある。通常のラーメンよりワンタン麺が好まれる傾向があるのも独特。それ以上にラーメン類よりは「呉冷麺」と呼ばれる他地区にない独特の冷やし系中華麺が好まれるのも特徴。
鳥取牛骨ラーメン(鳥取県
牛骨で出汁をとったスープを使うラーメン。スープに牛骨独特の甘い香りと芳ばしさがあり、醤油ダレが基本となっている。鳥取県中部。
宇部ラーメン(山口県宇部市
濃厚な豚骨をベースに魚介系の醤油でアクセントをつけたもの。九州の久留米ラーメンの影響が強く、広島ラーメンと久留米ラーメンの中間に位置する。
徳島ラーメン(徳島市
豚骨醤油スープ。味付けは甘辛く、関西のすき焼き風。チャーシューの代わりに載る甘辛く煮込んだ豚バラ肉のトッピングに、生卵を落とす物が主流だが地域により様々な物がある。地元では徳島ラーメンとは呼ばずに「中華そば」と呼び、徳島ラーメンをおかずにご飯を食べるのが習慣となっている。徳島で豚骨が主流となったのは、ハム製造会社(当時の徳島ハム)から大量の豚骨が提供されたためともされている。
鍋焼きラーメン高知県須崎市
鶏ガラをベースにしたあっさり醤油味で、琺瑯の鍋で提供される。具に鶏肉、ネギ、竹輪、そして生卵を落とす。ご飯と一緒に食べる習慣があり、沢庵漬けも一緒に出される。



岡山ラーメン
尾道ラーメン
尾道ラーメン
徳島ラーメン
鍋焼きラーメン
鳥取牛骨ラーメン
九州・沖縄

博多ラーメン(福岡市)
基本はさらりとした豚骨白湯スープが多い。味は豚骨ラーメンの中では比較的淡泊。が、極めて濃厚な老舗店も少なからず存在する。発祥時は当時の全国的な傾向もあって平麺が多かったが現在は長浜ラーメンの影響を受けストレート極細麺が主流。麺が極細麺であるために提供までの時間が短い反面、伸びやすく、少量ずつ茹でていたため長浜ラーメンから影響を受けて広まった替え玉という麺のおかわりがある店が大多数。ただし一部の店では替え玉によってスープの味が変わるのを嫌って替え玉を用意してない店もある。麺の硬さが好みに合わせて「やわ」「ふつう」「かた」「ばりかた」「はりがね」「こなおとし」などの呼び方で選べるが、「ふつう」でも他地域のラーメンに比べると硬めのことが多い。好みで白ゴマ、辛子高菜、紅生姜、潰しにんにくのトッピングを用いる。

長浜ラーメン(福岡県福岡市中央区
福岡市湾岸部の長浜には、博多ラーメンと区別して「長浜ラーメン」呼ばれるものがある。博多ラーメンと基本的には極めて同じ特徴だがスープが博多ラーメンと比べると屋台発祥がゆえと客層の関係で深夜・早朝に訪れる客が多かったためか若干淡白な傾向。トッピングは博多に比べ比較的シンプルでネギと薄切りの煮豚少々のみなどという店もいくつかある。これは屋台での飲食後の最後の締め、さらには深夜・早朝の客向けにという考えから生じたためと思われる。現在の博多(いわゆる福岡市内)ラーメンの主流であるストレート極細麺と替え玉はこの長浜ラーメンが起源。タレ(素ダレ)を使って味を調節できるのも、もともと替え玉発祥ゆえに長浜ラーメンからはじまったものだが後に替え玉・極細麺が博多ラーメン全般にも広まったため、このタレの部分も現在では長浜固有の特徴ではない。長浜ラーメンは博多ラーメンに大きく影響をあたえており今やほとんどの部分が同じ特徴を備えるため一見して両者の差異は相当に微妙であいまいだが福岡では今でも博多は博多、長浜は長浜、と別物であるという意識が根強く「博多ラーメン長浜屋(※架空の例)」などという店名には福岡市民は違和感を感じるという。ちなみに麺の硬さやスープのこってりさの指定については博多とは全く違う独特の指定の仕方(麺に関しては「ズン」・指定なし(普通)「カタ」・「ナマ」、スープの濃さに関しては「ナシ」・無言(普通)「ベタ」)、またトッピングに関しては指定なし(普通)「ネギヤマ」などの独特の指定の呼称がある長浜を代表する有名店が存在する。

久留米ラーメン(福岡県久留米市
豚骨ラーメンの発祥と言われる。発祥店の店主が長崎出身のため長崎ちゃんぽんの影響があるのではないか言われているが実情は不明。多量のラードを使い、基本的には作ったスープを当日中に使い切る博多とは違い、減った分に新たに炊いたものを継ぎ足し続けながら作る独特な濃厚豚骨スープが多い。そのため博多ラーメンに比べてこってりしてかなり濃厚なものが多い。独特の臭みがあるのは、豚骨を割って髄が出た状態でスープを煮込むためである。ストレート細麺が主流。ただし博多のものより若干太めである。もともと替え玉はなかったが近年は博多の影響で替え玉を提供する店も多い。ただし現地ではこれを替え玉とは呼ばず替え麺と呼ぶ。薬味に白ゴマ、下ろしニンニクなどがある。
筑豊ラーメン(福岡県飯塚市香春町
佐賀ラーメン(佐賀県武雄市
玉名ラーメン(熊本県玉名市
濃厚な豚骨スープと中細ストレート麺が特徴。
熊本ラーメン熊本市
戦後久留米から玉名を経て伝わった。濃厚で透明感のない白濁スープは、豚骨系で鶏ガラをブレンドしている。中太ストレート麺を使用する。一般的な具は煮卵、チャーシュー、メンマ、キクラゲ、海苔などで、辛子高菜や紅生姜はあまり使用されない。マー油をスープの表面にたらすものが多い(あるいは油で揚げたニンニクチップ等を使う)。近年は表面を覆うほどのマー油を特徴として売り出すラーメンが熊本に限らず見られるが、オーソドックスな熊本ラーメンマー油は表面に散らして香りづけをする程度である。
あごだしラーメン(長崎県北部)
焼きあごを使ったあっさりしたスープが特徴。「焼きあご」とは当地名産のトビウオ(「あご」と言う)を焼いたもの。平戸市生月町(旧北松浦郡生月町)が発祥。
宮崎ラーメン(宮崎県)
豚骨をベースしたあっさりとしたスープに醤油や塩が加わる。麺は加水率が高い。薬味のニンニク醤油とラーメンと一緒に出される沢庵漬けが特徴。
鹿児島ラーメン(鹿児島県)
豚骨+鶏ガラの半濁スープに野菜を使うスープ(豚の頭骨のみ、また焼豚(煮豚)を一緒に入れている場合もある)に、かん水を使わない白っぽい中太ストレート麺。具に焦がし葱や木耳。白い急須に入ったお茶、大根の漬物が一緒に出されることが多い。ニンニク(おろし&乾燥ニンニクの醤油漬け)・紅しょうがを置いている店もある。
沖縄そば沖縄県



詳細は「沖縄そば」を参照
本来は「ラーメン」と見なされないが、近い親戚的なものとして沖縄県沖縄そば(うちなーすば)がある。小麦粉100%の麺でカンスイ(本来は灰汁)を用いているので、製法的には中華麺の一種であり、公正競争規約の上でも「中華めん」に分類される。麺は太くうどんとラーメンの中間のような独特の食感があるが、これは生麺を使用するラーメンと異なり、麺をあらかじめ茹でて油をまぶし常温で冷まして茹で麺状態にしてあるものを調理時に改めて湯通しして使うため。これは長崎のちゃんぽんと通ずる調理法である。スープは豚だしと鰹だしとのブレンドが多く、ラーメンに比べて器に注がれる量が極端に少ない。トッピングはかまぼこ、ねぎ、紅しょうがなどが一般的であるが、1975年の沖縄海洋博の開催にともない観光客向けにソーキ(沖縄風スペアリブ)をのせたものや各種のトッピングが乗った物も考案され、以来、ソーキそば他などとして定番になった。前述の通りテビチそばやラフティーそばなどの沖縄独特の料理や食材をトッピングに用いたバリエーションが今や存在する。薬味はコーレーグス(「高麗辛子」「島とうがらし」とも)や七味唐辛子などが一般的。地域により、山原そば沖縄本島北部(山原)各地)、名護そば(名護市)、与那原そば(与那原町)、久米島そば(久米島町)、宮古そば(宮古島市)、八重山そば八重山列島各地)などの名称がある。麺、とりわけスープに関しては前述のとおり豚だしと鰹だしとのブレンドが多数ながらも地域々、店々によってはあっさりした物やこってりした物などそれぞれ異なる。ちなみに沖縄では昔から「すばはだしけーむん」(ソバは出汁を食べる物)と言われ麺よりスープが重視される。